ごあいさつ
文化の中で育つ子供たち
私が保育士になったばかりの頃、1〜2歳クラスに入り、先輩保育士に学びながら毎日が、一言文から2言文へとことばの広がりを見せる子どもたちにびっくりしながら、子供達の姿を追っていました。その頃、未満児クラスは、午前のおやつタイムがあり、毎日、旬な果物が一人づつお皿に盛り付けられ、子供達の前に運ばれてきました。
すると、我先にと自己主張の大合唱です。 「りんご!」「梨だよ!」「ぶどうだ!」と具具の自己主張です。
そこで、子どもたちの前に、果物茎は藤のカゴに入れ、ナイフや果物用まな板と共に出されるようにしまてみました。
保育者が、果物の皮をむくと、子どもたちは、目を輝かせて「ながい〜い!」「あっ!切れた」「落ちた〜!」と保育士の皮むきと一緒に楽しみ「おいしいね」と食べる姿でした。 そのうち、食べ終わった子が、〇〇樹脂系のお皿をポトンとテーブルから落とす姿に、又、又、まねっこ天才っ子は「大事よ」「大事、だいじ」と保育者に落とす物でないよと教えられるのです。 軽々しい〇〇樹脂の食器は ”入れたり” ”出したり” ”落としたり” と、子どもたちの、体験材料になりそうでした。 食器類のあつかい方に保育士は話し合い軽々しい食器から乳幼児専門の陶器メーカーに換える事にしました。
乳幼児に陶器の食器は、割ることを考えると安全面だけでした。
しかし、替えてみて、子どもたちの生活では食器を割る姿はありませんでした。 時々給食室に食器を重ねて運ぶ時くずれて割ることはありましたが、使用してみると陶器はいつも綺麗で少々古くなった〇〇樹脂の器は匂いも出てくるのですが、陶器類にはありませんでした。
この事を保育生活の実践に記したことがあり、その実践を読んでくれた児童文学の先生が「これは食文化ですね」と評してくれました。 現場でめまぐるしく子供と生活を共にしている中で、生まれた実践でした。
この頃 ”食文化” という概念は保育の中にはありませんでしたので ”子どもと文化”ということを考えるようになったきっかけでした。
施設責任者 佐々木絹子